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トカラの磯とは…

猛暑や炎暑と世の中が騒いでる最中の7月下旬、照り付ける陽によって焼け焦げた吐噶喇の磯へ降り立った。こんな暑さの中、正気の沙汰かと周りからは白い目で見られながらの釣行ではあるが我々にそれは関係ない。渡礁のチャンスがあるのならば灼熱だろうが吐噶喇の魚と勝負がしたい、己のスキルがこの1年でどれほど上がったのか、近海では出会えないサイズとの真剣勝負がそこにはある。

 

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今回持ち込んだのは試作が上がったばかりのRB95XZ-TRIDENT(3ピース)と定番のRB95SD、前者はトッププラグをメインで後者はシンキングプラグでの使用で2日間組み立てた。

 

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全員を磯に降ろした後、初めて乗る地磯近くのちょっとした離れへ向かう…過去に1度だけ渡礁させた事はあったがまだGTはキャッチ出来ていない。用意を始める頃にはすでに目眩がするような暑さ、目の前に良い潮が差してきているにも関わらずまずはタープやパラソルの準備で一休み。クールダウン出来る場所の確保が終わるといよいよ実釣スタート、同礁のパートナーは【南海の青大将】こと松岡氏なのでお互い好きなポジションから釣りを始めると私の2投目にGTがミスバイト、そのままプラグを引き続けると今度は違う魚がヒットした。80センチ程のバラクーダだが何か様子がおかしい、水面近くで寄せて来ているのだがどう見ても魚が複数付いてきている、近くまで寄せると何とGTの大と小が1匹ずつ、目測180センチ位のバラクーダの合計3匹で掛かった小型のバラクーダを奪い合うお祭り状態…あわよくば掛かっている魚がGTへ変換しないか粘ってみるも少々大き過ぎるようで尻尾付近に果敢と喰い付いている。そこで松岡氏を呼びデッドベイトを投入、100%喰う状況をお膳立てしたにも関わらず即ヒットしたのは三分の一の確率のバラクーダ、おまけに飲まれて即ブレイクしてしまった。半分ほどになってしまった私のバラクーダにまだGTが2匹付いているが一定距離を保って警戒しだしたので一旦回収するとフラフラと泳いでいってしまった。

 

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デッドベイトでは松岡氏がコンスタントにヒットさせるも残念ながら走る魚からのコンタクトはこの日は無かった。日中もルアーではカスミや青チビキなどが反応、1本小型のGTをZONESHOOTER195でヒットさせたが姿が見えた所でフックオフ。

 

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RB95SD+LaMer240にてカスミ7kg

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RB95XZ+Musya170

 

そしていよいよ時刻は4時を過ぎた頃、午前中の魚の活性を考えると夕方もうワンチャンス有るかもしれないと松岡氏と話していた矢先、何気に投げていた猛大舞丸のプロトの21cmが激しい水柱と共に海中に消え去った。少し高い位置からキャストしていたのでその【真っ黒なGT】をはっきりと目視、明らかに自己記録を大幅に超えたその畳の様な巨体で10キロ以上掛けた初期ドラグを意図も簡単にラインを引き摺り出す。

 

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ヒット直後、GTが落ち着くまで負荷掛け続ける

 

ロッドは3ピースのRB95XZ、構造上の限界負荷がどの程度なのか早くもそのテストに相応しいサイズと運よく繋がる事が出来た、海外遠征を見据えたこのプロトロッドが破損するのが先か、自分の体力と筋力が無くなるのが先か、20キロとかそういうサイズではないのが分かっているだけに色んな事を想定しながらのファイトが続く。

 

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走りが止まってGTが左へ旋回、足場を移動して負荷を増す(この時点ではドラグ値13キロ程のベンドカーブです)

 

サポートは百戦錬磨の松岡氏、冷静に判断してアドバイスをくれている。GTはまだジリジリをラインを出し更に左へと泳いでいく、それを見ていた氏が私も左へ移動する事を促したが「ここで獲ります」と告げもうワンランク負荷を上げ動きを止めた。すると先に行けない事を悟ったのか方向を変え私の方へ戻ってきたので正直このまま勝負出来るとこの時は思ってしまった…少しづつ距離は詰められているがそれでも巻いた分を出される事を繰り返す。右へ行けるところまでいったGTはまた左へ旋回を始めた、ここで勝負と決めたものの距離は短いながら時折見せる走りがまだ止められる勢いではない。残りのラインの残数と水中へ延びる角度をみると今の足場でのファイトだとリスクが高くなってきたので仕方なくGTの進行方向へ一緒に移動、1箇所だけ少し張り出した根があるのでそこだけ注意しながら磯の一番左端まで動きここで勝負と決めた。

 

 

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移動中もリフトを繰り返す

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磯の左端までやってきた、この場所が勝負所

 

ここまで来るともうGTも自分のウエイトなりの絞り込みしかしなくなったのでいよいよ勝負所がやってきた。左側の水中にテーブル状になった根が有りそこまで行ったGTは行き場を無くしまた右へ旋回、リフトするだけでドラグが滑る程の重量感、しかし完全に動きは止まったので私も傍で待機している松岡氏も「獲れた」と思った矢先、最後のリフトでラインが出ない様に少しドラグを絞ってリフトした瞬間、まさかのテンションロスト…正直何が起こったのか分からず暫く呆然とする。根に当たった感覚はない、フックオフでも無く180LBのリーダーが瀬擦れの後も無く戻ってきた。回収したラインは10m程、目の前まで来ていたそいつを抱くことは叶わなかった、今回は向こうに勝負運が有ったということだろう。想定する推奨ドラグ値を大きく超える負荷にも3ピースのRB95XZは耐えた、私自身も以前はこのサイズでは何もさせて貰えなかったがこちら側が余力を残した状態で勝負出来るスキルが身に付いた、しかしまたトカラの海の魚が道具も人間も超えていったという事実を受け入れるしかない。そしてほぼ同時刻に他の磯でも同じような戦いが繰り広げられ、結果は残念ながら私と同じ結末となっていた。

 

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右へ左へ振り回されこちらの体力が削がれていく

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大の大人が魚にボロボロにされる、これがトカラの磯

 

次の朝、やり残した磯へ再度アタックするも前日とはまったく違う様相、ギンガメやカスミの姿は有ったが昨日出会ったアイツは姿を現さなかった。

 

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RB95SD+ZONESHOOTER195

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良型のギンガメをキャッチするも不完全燃焼

 

帰り際、松岡氏から「あのGT、もう少しで中山のあんちゃん超えやったかもね!」と冷やかされる…その昔、この磯で日本記録が上がっている事を知り時代は移り変わってもこうして過酷な磯に挑み続ける仲間がいる限り何か伝えていける事が少しでも生まれる場所がトカラの磯であるということに改めて気付かされた、我々の挑戦はまだまだ続くが年齢的に主力メンバーは40代が主体、仲間が体力的にフェードアウトするのが先か渡船が無くなるのが先か…若い20代の台頭が待ち遠しいジャンルの釣りである事は変わりないのだが易々と踏み入れられる釣りではないのまた事実、見習う先輩達が元気なうちに色んな事を教えてやれる時間も少なくなってきたのかもしれない。

 

 

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